当事務所の仕事納めは12月27日、仕事始めは1月16日となります。
間もなく、公私ともに、激動であった一年が終わります。
まさに、「一陽来復」一転してよい年になってほしいものです。
さて、認知症などを罹患した高齢者の支援ですが、
2017年からの第一期成年後見制度利用促進基本計画(以下、「第1期計画」という。)では、既存の成年後見人の活用のための計画でしたが、改善策として挙げられた諸々の施策は不発に終わり市町村長の申立は急増しましたが、家族からの申立は、大きく減少し成年後見人制度全体の利用も低迷したままとなっています。
これを受けて、2020年3月の全国銀行協会の通達(以下、「全銀協通達」という。)により、健常時の本人意思を代理人に託す形での代理人制度の活用が行われています。さらに進んで、本年3月の第二期成年後見制度利用促進基本計画においては、普及の進まない成年後見制度に見切りをつけ、本人の権利擁護支援、就中、意思決定支援が重視され、任意後見人制度が注目されています。
銀行の代理人制度では、不動産をカバーできず、身上監護も予定されていません。さりとて、成年後見人制度は、第1期計画で挙げられた改善策が掛け声倒れとなり、効用も副作用も強すぎることは改善されず、市町村長の申立のようなセイフティネット的利用以外は、敬遠すべきものとしての評価が定着しつつあります。その過程において、家族信託の利用が急増しました。
しかし、期待の家族信託も、①信託財産のみしかカバーできない
②アップフロントのコストが大きいという本質的制約に加え、近年の専門家(弁護士、税理士、司法書士)の手による精緻化・複雑化により、完成度は高まりましたが、ランニングコストとわかり難さも同時に上昇しており、利用できる層が狭まりつつあります。
来年は、専門家による家族信託のガラパゴス化による囲い込みによって進んでいる寡占化・高コスト化の改善を大いに期待したいところです。
そのためには、利用者の勤め先企業の関与が有効打になるのではないかと考えております。(詳細は後日述べたい。)
加えて、一般層には、全銀協通達をベースとして、第二期計画が期待する「任意後見人制度」特に、移行型任意後見契約が注目を集めるのではないかと思います。
来年は、卯年。株式相場の歴史では、卯、辰、巳と続く干支では、上昇相場となっております。恐らく、現下の世界を覆っている戦争、コロナ、インフレ、分断などの諸問題は、「一陽来復」、来年を起点として、改善に向かうものと想定すると株式相場の歴史は繰り返されるのではないかと期待したいところです。
NISAの改善は、その原動力となるのではないでしょうか。
新年への期待