女性と浪人生を差別した医大入試(眼科医服部匡志の生き方が示すもの)

NHK土曜ドラマスペシャル「ベトナムのひかり(僕が無償医療を始めた理由)」は大きな反響がありました。
当事務所が服部先生に触れたブログへのアプローチも急増しました。
服部先生は、ベトナムやミヤンマー、フィリッピンで無償の眼科手術を行い
現地の貧しい患者15000名あまりの失明を救っておられます。
月の半分を日本でフリーランスの医師として、生活費、ベトナムでの活動費を稼ぎ、
残りの半分をベトナムで無償医療に取り組むという生活を既に十数年続けておられます。
ベトナム人はもとより、日本の皇室や政府マスコミもその活動に称賛を送っています。

その服部先生は、4浪して京都府立医大に入学して医師になった人です。
京都府立医大が浪人生を差別して入学のバーを上げていたとすれば、
15000人のベトナム人には
光が蘇らなかったかもしれません。
医大受験を女子だから、浪人生だからという理由のみで、
篩にかけることの愚かさを服部先生は身をもって示されています。
服部先生は、目の不自由なベトナム人のみならず、私立医大関係者にも光を与えて下さっているように思います。

性別や浪人ということによる差別ではなく、
志を試す入試があっても良いでしょう。
受験生には、医師という人間にとって大切で素晴らしいが大変厳しい職業に身を置くのですから、
その心構え、志を入試の論文科目としてはどうでしょうか?
もちろん、一時の受験対策で模範解答は続出するかもしれませんが、
医学倫理に向き合う受験は必要だし無駄とはなりません。
そして卒業後もそれを自らの座右の銘として拳拳服膺することを義務付ける枠組みをつくる取組みなど如何でしょうか?