サイトカインストーム(免疫システム暴走)で安倍氏を失っては国益を損なう

「桜を見る会」を巡る大きな論点は、前夜祭の費用不足分の補填が公職選挙法199条の2第1項違反(公職の候補者の寄付の禁止、1年以下の禁固または30万円以下の罰金)に、そしてその資金の流れについて政治資金収支報告書へ記載されていなかったことが政治資金規正法25条違反(5年以下の禁固または100万円以下の罰金)に当たるのではないかという問題です。

不正は不正として糺す必要があります。しかしそれは、当局による適正な捜査によって適正な処罰を下すにとどまるべきものです。
政治の私物化は腹も立つし見過ごせない大事な問題ですが、国益に比すると取るに足らない微罪です。それを国を挙げて追及するがごときは、自浄作用の暴走(サイトカインストーム)というべきでしょう。必要以上に騒ぎ立てることは、二つの意味で国益に反します。
1.今はコロナ対策。GoToどうすべきか、医療崩壊への応急の措置、困窮者に対するコロナ予算の議論等に時間と労力を尽くすべき時。
2.安倍氏は、9年にわたり国をリードしてきた功労者であり、その経験と外国の首脳との関係は、我が国の国益にとって重要です。
盛んに舌鋒鋭く批判している政治家の方々ではとても担えない役割を果たせる能力と経験が、安倍氏にはあります。
 残念ながら、内弁慶菅首相の外交力は未知数です。バイデン・ハリスと対等で良好な関係の構築は可能か、プーチン、習近平、文在寅その他の猛者と対等に渡り合えるのか、弱腰茂木外相では、中国だけでなく韓国や同盟諸国との外交も不安になります。安倍氏は説明責任を果たし、不正があるなら、真摯な反省と国民への謝罪をした上で、外交面で菅内閣を支援することが国家国民に対する贖罪となると思います。

努努、政治家の党利党略に踊らされて、サイトカインストームを起こして国益を損なうことのないようにご用心を。