「認知症になったら、私のお金はどうなるの?」その2(平均寿命と健康寿命)

平均寿命と健康寿命

平均寿命とは、「0歳児があと何年生きることができるかを計算した指標」を言い、
健康寿命とは「健康上の理由で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を言います。図1-1
 図1-1、1-2から明らかなように、我が国の平均寿命も健康寿命も男女ともに一貫して伸び続けていますが、この二つの寿命には、男性は約9年、女性は約12年の差が縮まることなく存在しています。
 つまり、男性は約9年間健康でない時期を経て亡くなり、女性は約12年間健康でない時期を経て亡くなっているのが、平均像ということになります。
 この「健康でない時期」(以下、「寿命GAP」と呼びます。)とは、身体上の理由、精神上の理由その他様々な理由で、介護の手助けがなく自立して健康な生活ができない時期と言換えることができると思います。
 身体上の理由や認知症等の精神上の理由で介護が必要な方の中には、意思能力を十分に持たない方々がおられます。
 平均寿命のラインより上の領域は、相続した人が処分する「遺言の世界」、健康寿命のラインより下の領域は、「自分自身が処分する世界」です。問題は、「寿命GAPの世界」です。ご存命中の人の資産は誰が処分するのか?                        図1-2   
自分自身の築き上げてきた資産を自身の意思によって自分のために、
使えなくなるリスクに対してどのようにして備えるかが重要と
なります。

寿命GAP期間に「私のお金はどうなるの?」