「来年度予算は、コロナ対策一色に!」で菅内閣は歴史に名を残すことになる

報道によりますと、「国の事業を公開の場で検証する「秋のレビュー」が、11月15日まで4日間行われました。政府の行政改革推進会議は、来月、一連の検証結果をまとめ、来年度予算案の編成や今後の政策立案に反映させたい考え」(NHK11.16)のようです。平時なら、それでよいのですが、昨今の新型コロナ感染症拡大は、この冬、これまでにない猛烈な展開となることを示唆し始めています。このままでは、年内に医療は崩壊し、春先にかけて大量の犠牲者が出るのではないかと心配です。
米国のコロナ犠牲者は、24万人を超え(ベトナム戦争の米国の犠牲者数6万人弱)、このままいけば半年後には42万人に達する見込みです(第二次世界大戦の米国の犠牲者数と同じ)。

当初、コロナを甘く見た米国を他山の石とすべきです。
「GoTo」は、線香花火的な経済効果のためには「国民を死地に赴かせる赤紙」のようなものです。即刻やめるべきです。
もっと骨太なコロナ対策で経済も浮揚でき、新しい社会の構築への展望も目指すことができます。

菅内閣は、この際、自らを「コロナ対策内閣」と名を改め、コロナから国民を守ることに専念する決意を固めて頂きたい。
「人命は地球より重い」とは、1977年に起きた「日本赤軍航空機ハイジャック事件」で当時の福田首相が言った有名な言葉です。要求に応えなければ、人質を一人づつ殺害するという犯人の脅迫に屈し、身代金と受刑者の解放という要求を全て呑むことで、人質全員が解放されました。
 この事件は、日本人の弱腰によって、テロが世界にバラまかれると世界から非難を浴びました。国内においても賛否両論があり、このような「超法規的措置」は法治国家の根幹を揺るがすものと批判して、時の法務大臣は辞任したのでした。
ハイジャック事件の評価はさておき、「人命は地球より重い」は今でも重い響きを持って、人々の心の中に存在しています。
コロナウイルスから人命を守ることは、躊躇なく「人命は地球より重い」として対処すべき事柄です。

「経済との両立」「経済が破綻すれば、自殺者が増える」という議論は、よく分かります。しかしその対応策は「GoTo」キャンペーンではないのです。そんな「一時しのぎ」では、すぐ破綻し、感染拡大を助長するだけです。もっと骨太な政策でないと持続的経済浮揚効果は期待できず、人命には有害です。

菅内閣は、来年度予算を「コロナ予算」と銘打ち、規模を倍増し、コロナ対策をそっくり上乗せするという国を挙げての大盤振る舞いを敢行すべきです。株価は、当ブログが6月に予想したように32年振りの新高値を目指して動いています。株式市場の資金再配分機能が国と社会をイノベートしつつあります。

心配しなくても、当ブログで再三述べているように、日本国には通貨シニョリッジ(通貨発行差益を利用できる余裕)があります。発展途上国じゃあるまいし、経済力に優れるわが国においては、財政均衡論などは、無用です、霞が関のつくった「亡国のマヤカシ論」に騙されてはいけません。
ハイパーインフレや急激な円安になるまでは、財政は赤字で問題ありません。その証左たる国は、米国です。米国は通貨シニョリッジを活用して、双子の赤字を垂れ流しながら、繁栄を続けています。30年前の米国のダウ平均は2770ドル、昨日は29438ドル、なんと11倍(日本はやっと2/3に戻ったところ)になっています。基軸通貨国である米国にはとても及びませんが、わが国にも大きな通貨シニョリッジが厳然と存在します。その赤字余裕をこの際、思いきり活用して、国家と国民を守るべきです。
幸い、日本より通貨シニョリッジに乏しい世界各国が財政赤字でコロナ対策をやっています。国際通貨の価値は相対的ですから、弱い通貨がさらに弱くなる政策を行うと我が国の通貨シニョリッジによる財政赤字の天井は、さらに高くなっていきます。これを使って、コロナ対策に財政を大盤振る舞いするべきです。
逆に、各国が、財政赤字を活用しているときに、それを躊躇すれば、円高が進み日本経済はより深刻な事態となります。失われた30年は、財政均衡という間違った政策のなせる業であったことは、既に証明(米国の株価は11倍、日本は2/3)されています。

「GoTo」は即刻中止し、改めて非常事態宣言を行ない、財政赤字で休業補償、生活補償、医療インフラの整備、薬剤・医療物資の確保に国家を挙げて取り組み、同時に治山治水・トンネル、橋避難所の整備などの災害対策、科学技術の育成のインフラ整備など国民の安全安心を確保し将来につながる投資を行い有効需要を創出して経済を維持していけば、、新しい社会の構築のための資金配分を株式市場が導いていくものと思います。

菅内閣が、歴史に名を残すチャンスは、すぐそこにあります。