「新しい資本主義」がMMTをベースとするものであるなら、岸田氏は、池田氏を超えるかもしれない。

未だ判らないが、もし岸田首相のいう「新しい資本主義」「成長と分配の経済」というものが、MMT(現代貨幣理論)に立脚するものであるなら、本物だ。
歴史に有名な池田勇人元首相の「所得倍増論」の成功をも凌駕し、国際社会において失った嘗ての経済大国日本の地位を取り戻せるかもしれない大きな政策変換となる。本ブログで「岸田ショック」と言った8日連続安は、とりあえずの成功実績を持つアベノミックスが企業の犠牲(分配問題)で変化をせまられるのではないかという懸念を市場が持ったからである。
しかしMMTに立脚した根拠と信念に満ちたものであるのであれば、話は違う。
その場合、来年、日経平均は、33年振りに新高値を取り、4万円台を超えていくことになるかも知れない。
その輪郭を見えるようにしてくれたのが、
矢野財務省事務次官の発言(「総裁候補者は、バラマキ論者ばかり、まるで国庫には無尽蔵にお金があるような話ばかり」)である。
彼のような財政均衡論者に30年騙され続けた。それが失われた30年の真相である。中国は財政赤字なんかにお構いなく成長を目指して、日本を世界第2位の経済大国から引きずり降ろした。他主要国はとっくにその呪縛を解き、それぞれの国の株価は、いずれも30年間で大きく値上がりもちろん新高値街道にある。就中、米国は繰り返し債務上限を引き上げ、米国株は10倍以上となったが、日本は、やっと高値(3万8915円)の70%に戻した程度だ。矢野さんたちのように、財政均衡論がわが国にとって正しいと信じている人たちからすると、岸田、高市の発言は、もだし難いとばかり、義に駆られて発言したのであろう。しかしこの発言は、岸田首相の本気度を試す好アシストとなった。
 今財政均衡論で運営すべきではないということの正しさの証拠を一つ上げると「為替」である。もし各国が拡大財政を続ける中で、財政均衡を目指すと30年間苦しんだ「円高」それも強烈な円高に襲われ、日本経済はボロボロになることは、予想に難くない。昭和恐慌時に、最後まで、金本位制にこだわって猛烈な恐慌となった歴史を思いお越せばわかる。
 矢野氏に猛烈に反論した岸田首相、高市政調会長に、MMTが腹にあるように感じられた。「財務省のポチ」と揶揄された財政均衡主義者であった岸田氏が、一大変身を遂げてのことであれば、日本は30年の眠りから覚め、中国にチャレンジできるようになるかも知れない。
今年の2月23日本ブログで、菅ファミリーのせこい第三者贈賄に呆れて、清廉さと事務能力から岸田首相誕生を期待すると書いた。しかしどうやら、清廉さと事務能力だけでは、ないかも知れない。