田村智子参院議員(日本共産党)は、「桜」問題について前夜祭を取り上げることによって安倍前首相を追い詰めたことを「山を一つ動かしたかな」(毎日新聞)と得意満面に答えておられます。「山が動いた」は1989年の参議院選挙で自民党を過半数割れに追い込んだときの社会党委員長土井たか子氏の有名な言葉です。さらに遡ると明治44年「青鞜」の創刊号に掲載された与謝野晶子の「山動く日」という詩があります。
国政選挙における自民党の過半数割れは歴史的な出来事で、土井氏の感慨はよく理解できます。革新勢力の政治家として国政に大きな転換期をもたらした昂ぶりが伝わってきます。与謝野氏は、女性が解放される日を「山が動く日」として詩によって訴えたのでした。
同じ女性として、「山が動く」というフレーズに愛着がお有りなのかも知れませんが、田村さんの今回の目標や「功績」は、余りに先のお二人とは次元が違います。先の二氏は国家国民の利益を念頭にしたもので、田村さんの「山」は、党利党略です。
前総理の800万円立替事件は、検察が追及すればよいのです。軽々しく「山を動かした」などといって自分の手柄よろしく選挙用のアピールしてほしくはありません。いま国民は、コロナの第3波の来襲を受け、経済的にも精神的にも大変な困難な状況にあります。国会議員であるならば、現在の国難に如何に対処すべきか、与党は与党なりに野党は野党なりに知恵を絞り行動を起こして頂きたいと思います。コロナ対策を予算にする大切な国会の時間を費やして動かした「砂場遊びの砂山」は国民には、邪魔なだけですから、もっと脇へ動かしてください田村さん。
政治家は党利党略より国益(コロナ対策予算編成)を!