ソロモンの時代1-生きるリスクに備える-

 単独世帯が増えています。東京では702万世帯のうち339万世帯が単独世帯です(東京都の統計2019)。実に約48%。全国でも単独世帯は約1490万世帯(28.8%)、就中、65歳以上の高齢者単独世帯は約737万世帯あり(厚労省2019年国民生活基礎調査)、身寄りのいない孤独な単独世帯も多くあります。しかも2019年の国勢調査では生涯未婚率は男性が23.37%、女性が14.06% (国立社会保障・人口問題研究所)となっており、今後増々単独世帯は増え、まさに独り者の多い時代(ソロモンの時代)となってきたといえます。ソロモンとはヘブライ語で「平和な人」の意と聞きますが、荒川和久氏の言うソロモンは、「結婚しない人々」を指します。 生別死別でお一人になられた方々を含めたソロモンの皆さんが100歳まで、どう生きるか、そしてどう死ぬか、どうやら「平和に」とは行かないようです。考えられる問題とその解決方法を考えてみたいと思います。


 先ず生きることの分野では、平均寿命と健康寿命そして資産寿命という3つの寿命が作りだす2つのギャップが問題となります。下の図をご覧ください。

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1つ目は、平均寿命(新生児の平均寿命)と健康寿命(介護などを受けず、自分の心身で自立して生活できる年齢)のギャップが引き起こす問題です。男女共に両者は年々伸びていますが平行でその差は一向に縮まりません。ご覧のように男性10年、女性は12年のギャップ(寿命GAP)が常に存在し、その健康ではない期間を経て亡くなるというのが、日本人の平均像です。
 この不健康の要因は、様々ですが多くは加齢によるもの就中、認知症等によるものが多いといえます。
 「65歳以上の人の5人に1人が認知症(3500万人のうち700万人)」と言われています。よく生命保険や信託銀行のCMで語られているのでご存知の方も多いと思います。しかしこれは嘘ではないけど本当でもないのです。

次の図をご覧ください。

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確かに65歳以上全体では、5人に1人ですが、65歳や70歳では5%にも満たない比率です。しかし70歳から急に増加し始めます。何と85歳では女性で43.9%、男性は35%と認知症有病率は70歳から15年間に9倍に増加するのです。
 「なーんだ、5人に1人なら大したことはない、多分自分は大丈夫だろう」と思ってしまいがちですが、歳を取るにつれて自分の属する同級生の認知症有病率は年々高まっていきます。85歳を過ぎても有病率は上昇を続けます。百年生きるとすると男性はクラスの半分以上、女性はなんと8割以上が認知症に罹患するということです。
 ここまで高い確率で身に降りかかってくる災難は、他にはありません。
皆さんは、その備えはできていますか?このくらい高い確率で起きる災難に対しては、罹らないことを前提として生きることは危険です。歳を取れば罹るものとして、罹った時に慌てないで済むように備えをしておくことが大切です。
特にソロモンの皆さんは、より周到に準備する必要があるのではないかと思います。
 どんなリスクがあり、どう備えておけばよいのか次回ご報告いたします。